Story Tellers from the Coming Generation! Interactive fighting novel JOJO-CON

葉水加狂さんの「ワイアード・ベック」

VS

坂崎悠乃さんの「東方仗助」

マッチメーカー :かいがら
バトルステージ :地下鉄
ストーリーモード :Fantastic Mode


双方向対戦小説ジョジョ魂



ROUND  2



10.大事なこと―観察



 ったくよぉ…
 電車が走ってる途中で乗ってくるかァ?こいつらはよォ〜!
 無賃乗車だしよォ!
 んで、中世風のカッコした吸血鬼が今後ろから入ってこようとしてるしよぉ…
 時代錯誤してんじゃねーのか!?
 やっぱこの旅行はツイテねーぜ…

 …って、吸血鬼どもにこうジョーシキってモンを押し付けてもダメだよなぁ…
 アタマカチ割って、動いてる事自体異常だぜぇ
 オレはとりあえずこいつらをブチのめさなきゃ、康一やツェペリさんとも合流出来ねーみてーだしよ
 とりあえず、オレがまずしなきゃいけない事
 それは「観察」だよなぁ
 相手の事がわかって、初めて互角以上に闘える。
 吉良と戦った時だって、オレは吉良の能力がわかっていたから勝てた。
 鉄塔の男に苦戦したのだってよォ、最初に「能力」の予測がつかなかったからだ。
 特に今回の相手は人間じゃなくて、バケモンだ。
 気ィ引き締めていきたいぜ…

 とりあえず、承太郎さんから預かった「吸血鬼の資料」の中身でも思い出してみっか…
 ロクに読んでねーけどな…

「おいッ、何ボーッとしてるズラ!こっちを向くズラ!」
 後ろの大きいオッサンが叫ぶ。
 こいつしかオレに話し掛けてこねートコを見ると、どうもこいつがリーダー格の吸血鬼だよなぁ…
 しかし、このオッサンひどいなまりだぜ…
 あと吸血鬼はオッサン以外に5体いる。
 それと、さっきおっさんが「チェーザレ」って呼んだヤツだな?
 グレートだぜ…
 一気に7体、おまけにオッサンとチェーザレってヤツは何か「直感」として他のヤツとは違うぜぇ…

「吸血鬼の資料」で覚えてることは…

「吸血鬼は太陽の光に弱い」
「吸血鬼は波紋の力に弱い」
「吸血鬼を倒すには頭を攻撃するしかない」
「吸血鬼に血を吸われた人間は、同じように吸血鬼になってしまう」
「吸血鬼には再生能力があり、まだ普通の人間に比べて数倍の能力を持っている」


 こんだけだ。
 我ながら情けねぇよなぁ…
 ちゃんとヒコーキの中で読んどくべきだったぜ、チクショー!
 何か、必殺の能力とか書いてあった気がするんだけどよォ…

 とりあえず、はやくこいつらを倒さねぇと被害が拡大するって事は確かだな。
 もう別の車両にも乗り込んでるかも知れねぇしよぉ…

 早く倒す方法を考えて、んで被害を出さないようにしなくっちゃな。
 まず、波紋が本当は使えねーオレとしては、太陽の光でこいつらを一掃したい。
 だけどよォ…
 地下鉄トンネルから地上まで穴掘れるとは思えねーし、かといって誘い出すのも難しそうだしよぉ…
 さて、どうしたモンだ…

 そう思った時!
 電車が急ブレーキをかけて止まる!
 何が起こったんだァァ〜!?

 オレも吸血鬼どもも大きくよろめいた後に、後ろのオッサンがニタリと笑いながら言いやがる。

「列車を止めたズラ…おめーら人間は、みんなオレ達の食糧ズラ!おとなしく喰われるズラ!波紋使い!」

 …どうも、やっぱり他の車両にも吸血鬼が乗り込んだみてぇだな…
 という事は…
 オレは、今から何体の吸血鬼を相手しなくちゃいけねぇんだァ!?
 穴を掘って日の光を当てるって訳にもいかねぇし…
 絶対絶命かァ!?

「おいッ!ボーっとするなって言ってるズラ!変なアタマの波紋使い!」

 …おい、今なんッつうた?こいつ?

「テメーの事ズラ!鳥の巣みたいなアタマしてるから聞こえねーんだズラッ!」

 …………んダとォ!?


11.密室で消失した屍生人



 予定通り…
 電車が止まったズラ。
 これでこの電車内はオレ達の「狩猟場」となったズラ!
 URRRRRRYYYYYY!!
 喰って、支配してやるズラ、人間ども!
 そしてシーザーを殺し、オレが世界の帝王になってやるズラ!
 殺戮!
 人間どもに「地獄」を見せてやるズラ!

 だけど、その前に…
 この目の前にいる波紋使いを血祭りに上げて、シーザー殺害への意気を上げるズラ!
 波紋使いは将来的にも邪魔になるズラ!
 ここでビビって逃げるよりも、今始末したほうがいいズラ!

 こいつもさっきまで何か考えてたみたいだけど、やっと戦う気になったみてーだズラ。
 どっちにしろ、こいつは逃げられないズラ。
 どうせザコ波紋使いの分際でオレの事しばらく無視した罪は大きいズラ。
 血を一滴も残さず吸い取って、粉々に砕いてやるズラ!

 しかし…
 すごい怒り様ズラね…
 こんなにも怒るとは思ってなかったズラ。

「テメ〜、今何て言いやがったァァァ〜!?誰がサザエさんのアタマだコラァァァ〜!?」

 何かよくわからないけど、この波紋使いは頭の事言われると逆上するみたいだズラ。
 髪型だけでなく、中身もおかしーみてーだズラ。
 こんなおかしなやつはとっとと殺して、早く「食事」にしたいズラ!
 みんな、今度は一斉にかかれ!
 血祭りに上げるズラ!

 チェーザレを除く屍生人どもを一斉に飛び掛らせる、これで波紋使いの始末は終わったと思ったズラ…
 だけど、オレは判断が「甘かった」ズラ。
 やっぱり波紋使いがそんなに弱いわけねーズラ。
 屍生人たちはまた波紋使いの手前で「何かに殴られたかのように」吹っ飛ばされたズラ。

 よろよろと立ち上がる屍生人たち。
 何とか弾き飛ばされた3体とも無事なようズラ。



……ん?
 3体!?
 何で5体が3体になってるんだズラ!?
 どう考えてもおかしいズラ!
 こ、これがこいつの波紋の能力!?

「お前ら全員電車に埋めてやるぜェ〜!!覚悟しやがれ!全員ブチのめす!」

 良くわからないことを言いながら、今にもオレに向かってきそうな勢いズラ…!
 完全に逆上しながらも、オレの屍生人どもを早くも2体片付けた、という事かズラ!?
 NNNNNNNNNNN…
 やはり波紋使いに手抜きは出来ねーズラ…

 チェズッ!
 おめーの出番ズラ!!


12.チェーザレ・ボルジア



 私は再びこの世に「生」を受けた…
 以前よりも強大な力を得、そして仰ぐべき主を得て。
 そして、今目の前には私と主の覇業を邪魔しようとする「人間」がいる。
 必ずこいつを排除して、再び覇業を推し進めん!
 そして事が済み次第、主のお力を借りてルクレツィアと共に永遠を生きよう…

 15〜16世紀に「生きていた」時…
 私は、イタリアを自分自身の力で統一する事を欲した。
 もちろん、法皇である父の「宗教権力」に頼るのではなく、純粋な私の力でイタリアを統一したかった。
 イタリアだけではない。
 世界を我が手中に収め、人間の帝王になる気だった。
 信仰などを含まない、絶対的な権力こそ私の望んでいたものだった。

 その覇業のために、私は利用できる物を何でも利用した。
 時には父の権力を利用した。
 また、時には心より愛する妹ルクレツィアの美貌を利用した。
 また、ボルジア家に代々伝わる「カンタレラ」も…

 そして、私の前に立ち塞がる者はことごとく排除してきた。
 それがたとえ聖職者であろうと、貴族であろうと、そいて、実の弟であろうと…だ。
 手段は選ばずにな…

 ここまで私が権力に執着したのは、元々私が「私生児」であったからかもしれない。
 「私生児」であったため、私が法皇になる事は事実上不可能だった。
 その地点で、私は「信仰」を捨てた…
 私は強大な権力に飽くなき欲望を持っていた。
 私の事を私生児と蔑んだ連中を見返してやりたかった。
 世の人間全てを支配する事で、自分のコンプレックスを払拭したかった。
 そう、私に信仰があるとすれば、私は「私自身」を信仰していた事になるだろう…

 しかし、そんな私にも最後の時が来た。
 父と共に、料理に毒を盛られてしまったのだ。
 結果、父は死亡し、私も全てを失った後に戦で敗死した。
 毒使いが毒の前に敗れ去る…
 皮肉な話だ。
 そして私は「歴史を汚した者」という汚名を被り、そのまま闇へと沈んでいった…
 人間への恨みを残して。
 権力への執着を胸に抱いたまま。

 しかし、ベック様が私に再び「生」を、そして特殊な「能力」を与えてくださった。
 そして…
 この世への怨念、人間に対する怒り。
 それをそのままぶつけていいと仰った。
 人間どもを殺して回り、そして「支配」してしまっても良いと仰った。

 今再び、緋色の衣を身に纏い、ベック様の元で我が覇業を現実のものとせん…
 どんな手段を用いても、障害は駆除する!
 それが私のやり方だ…


13.文字通りの「生き埋め」



 このアタマをバカにされて、黙ってられるかよ!
 吸血鬼どもを全員ブチのめして、電車の中に埋めてやる!

 波紋使いでねぇオレには、こいつらを消滅させる手段なんてうまく思い浮かばねぇ。
 それに、オレのスタンドではこいつらを「粉々」にする事は難しい…
 が、こいつらを「直す」事は出来る!

 オレの考えた通り…
 「クレイジーダイアモンド」が壊した列車ごと、吸血鬼を「直し」てやると、ヤツらはもう動けなくなるみたいだ なぁ!
 動けなくなるどころか、アンジェロと同じ「生き埋め」も同然だぜッ!
 全員覚悟しやがれ!

 ここであの不愉快なオッサンがチェーザレってヤツを前に押し出す。
 あのオッサンのツラに50000発はぶち込んでやらねーと気がすまねぇよなぁ!
 …ん?
 何でチェーザレってヤロー、笑ってやがるんだァ!?

「おとなしくザコどもの餌になっておけば良かったものを…わざわざ私に殺されたいとは…苦しみながら死ね!愚か者よ!」

 こいつも何で初対面の人間に「愚か者」なんだよッ!
 チクショー、吸血鬼ってヤツはみんなムカつくヤローだぜッ!

 しかし…
 こいつの鋭い眼光!
 身体から漂う圧倒的な「妖気」みたいなモン!
 そして、オッサンが「秘密兵器」みたいに扱っている事!

 これらから考えて、こいつにはクールにかからないと痛い目を見そうだぜぇ…
 クールにこいつを倒した後、オッサンをブチギレでブチのめす!

 しばらく、オレとチェーザレの間で睨み合いが続く。
 お互い、相手の手の内がわからねーからウカツに手出しできねぇ…
 張り詰めた静寂。
 緊張した静止。
 この状態が、永遠に続くかと思ったくらいに…
 場は張りつめているぜ・・・

 ………ン!?
 チェーザレの後ろの方で…
 オッサンが逃げようとしてんじゃねーか!?

「チェーザレ!お前に屍生人を預けるズラ!オレは…他の車両を占領するズラッ!」

 んだとォ!?
 逃げられるよりも最悪のシナリオだぜッ!
 ヤツの為に犠牲が出たら、目覚めがわりいしよぉ!
 それ以前に、これ以上吸血鬼を増やされちゃ、生きてこの電車から出るのも難しくなっちまうッ!
 それに…
 あいつだけはこの場から逃がしてたまるかよッ!
 50000発…
 いや、100000発ブチ込んでやる!!

 だけど、ヤツに飛び掛ろうとするオレの前にチェーザレは立ち塞がる。

「お前の相手は…この私で最後だ。ベック様の事は意識しなくていい、する必要がないからな…」


14.カンタレラ



 ベックが動く事によって、「睨み合い」という均衡した状態は破れた。
 仗助とチェーザレは互いに戦闘体制を取る。
 屍生人3体も仗助に飛び掛りそうな勢いだ。
 そして…

「BAAAAAAAYEBAAAYE…!波紋使い!そのマヌケなアタマをかじられてくたばるといいズラッ!!」

 その言葉を残し、ベックは自らの乗車口―壊された列車の窓に手をかけ、そこから降車しようとする。

 その時!
 列車に使われていたベアリングがクレージーダイアヤンドの手によって「発射」された!
 弾丸のように発射されたベアリングはベックの「胸」を捉え、肉を抉る。
 そしてベックを列車から叩き出した!

「またオレのアタマをコケにしてくれたな…!?テメーには後でこれの何億倍の苦しみを与えてやるぜ…ああ〜ン!?」

 ベックは自らの身に起こった事が理解できないまま、地より身を起こし、他車両へと走り去っていく。

「その波紋使い…必ず足止めするズラッ!チェズッ!!オレ自らそいつを食い尽くしてくれるズラッ!」

 という言葉を残して…

 そして
「ベック様に疵をつけた…貴様は許すわけにはいかん!」
 というチェーザレの言葉を生んで。

 仗助としても、ここでノンビリして列車内の被害を拡大させるわけにはいかない。
 屍生人達にしても、早く仗助を始末し、ベックの後に続いて「食事」を取りたい。
 もはや直接対決は、避けられない状況だった。

「行けィ!者ども!」

 チェーザレの叫び声は、屍生人3体を仗助に飛び掛らせた!

 その光景はまるでビデオを再生するかのようだった。
 屍生人達は仗助の前で「殴られたような状況に遭い」、そして「消えた」

「こっちは急いでんだぜ!テメーも早くかかって来い!すぐに消してやるッ!」

 屍生人3体を片付けた仗助は、チェーザレにそう言い放つ。

 しかし、チェーザレは「かかって来る」のと全く逆の行動を取った。

「貴様の能力、眼の前の空気でも操っているのか?何かはわからんが、連続して喰らうとマズいようだ…、しかし、近距離でしか使えないみたいだな?その能力は…では、距離を取らせてもらおう」

 チェーザレは仗助から一定の距離を取る。
 そして、爪の先から「血管針」を「射出」した!

 突然の遠距離攻撃に、仗助はただ「かわす」事しか出来なかった。
 次々に襲い掛かる血管針は、まるで網を張るかのように仗助を追い詰めていく。

 そして…
 とうとう仗助は、電車の隅へと追いやられた。

「最後だな、波紋使い…もはや逃げ場はない。貴様を殺すのは、ベック様ご帰還の後にしたかったが…まぁ、仕方あるまい。ついでに私の『飢えと乾き』も癒させてもらうぞ!死ね!」

 その言葉と共に、血管針が一斉に仗助へと襲い掛かる!

 しかし…
 次の瞬間、チェーザレは驚愕した。

 仗助の足元、電車の底が砕け、そしてそれは仗助の前で「壁」となったのだ。
 「壁」は血管針から仗助の身を守る。
 血管針は狙いとは違い、その「壁」に突き刺さってしまった。

「逃げ場はない?最初から逃げてるんじゃねーのよ!安易にお前が攻撃してくる時を
待っていたんだぜッ!」

 仗助は血管針の「網」をかいくぐり、チェーザレに急接近し、ラッシュを叩き込んだ!

ドラドラドラドララララァ!

 チェーザレはラッシュを喰らって、体液を撒き散らしつつ吹っ飛ぶ。

「浅かったか!?次は仕留めてやるぜッ!もうその血管の攻撃は通用しねぇ!」

 チェーザレはそんな仗助の言葉に対して、嘲笑の笑みを浮かべて立ち上がる。

「…バカめ…まだ、状況がわかっていないのか?カンタレラは…お前を確実に仕留めるぞ…?手を見てみろ…」

 仗助はその言葉を受け、手を見た。
 手に異常を感じた。
 手には飛び散った体液が少量付着し…そしてその体液は、仗助の肉体を蝕んでいた。

「うおおおおぉぉッ!?焼ける!?」

「その通り!我が体液はボルジア家秘伝の毒薬、カンタレラを交えている!カンタレラは全ての物質を蝕み、滅ぼすだろう!貴様も果てよ!我が弟のようにな!」

「ぐ…グレート…軽症ですんだものの…安易だったのはオレの方だったみたいだぜ…」

 その時、仗助を守っていた「盾」が、電車の隅で焼け砕けた。

「私も少量ながらダメージを負ったようだ…。さて、戦いを続けようか」


15.他車両に向かう途中―ベック大作戦


 あの波紋使い…
 何をしたのかわからなかったけど、とにかく何かを発射してきたズラ!
 ツイてる事に「波紋」がきっちりとこもってなかったみたいで、傷口から溶けずにすんだけど…弾は体の中に残ってるみたいだズラ!

MUUUUUUUUUUNN!!
 ダメージはほとんどないとはいえ、ものすごく不愉快だズラ!
 必ずオレの手で殺して、細切れにして喰ってやるズラッ!

 だけど、ヤツは想像以上に手ごわいズラ。
 しかも、能力がオレの知っているような「波紋使い」とはかなり違うようだズラ。
 まず、屍生人たちが突然「消えた」ズラ。
 消えた屍生人は「波紋の力」で消されたのかズラ?
 それにしては、急に消えたズラ…

 あと、ヤツの攻撃がオレには全く「見えない」ズラ!
 仮面で授かった力!
 どんな人間よりも強靭に、敏捷に動くことができるはずだズラ!
 いくら波紋使いといっても、しょせんはヤツは訓練をした人間、オレの身体能力を超えてしまう事は考えにくいズラ!
 だとすれば「攻撃が見えない」とは、一体どういう事だズラ!?
 やっぱり謎が多いズラ!

 だから、まずヤツを倒すための「手順」を踏んでいく事が大切ズラ!

 きっちりとした作戦をたてていけば、どんな戦いも勝利することが出来る!
 どんな手段を使っても、勝てばよかろうなのだッ!

 カーズ様が昔教えてくれた事だズラ!

 ここでオレの踏む手順は2つ!
 1つは、他車両にいる人間どもの血を吸って、我が僕とすることズラ!
 オレのハラが膨れ、そしてオレの手下が増える!
 イッセキニチョウってやつズラッ!

 そしてもう1つは…
 ヤツの注意をその屍生人どもでひきつけた後、ヤツの死角からオレが奇襲をかける!
 そして一撃で葬り去る!
 ヤツの波紋能力の正体がわからない以上、ヤツに本来の力を使わせずに倒す!
 それがオレに出来る最良の戦法ズラッ!

 先頭車両が見えてきたズラ!
 中の人間は、何が起きたのかわからず右往左往しているズラ…
 オメーラがこれからする事は
「オレに喰われ、オレに支配される事」
 だズラ!
 マヌケな人間どもめ!


16.絶体絶命!?好機到来!?


 チクショー…
 苦戦しちまってるぜ…
 この「チェーザレ」って吸血鬼はヤバい!
 血管針の攻撃自体は動きもそんなに早くなく、大したことはねぇ…

 だけどよぉ!
 「たんたれす」?
 「たんたれら」?

 まぁよくわかんねーが、身体中に「何でも溶かす」毒が流れているって言うのは相当ヤベぇ!
 隙だらけの所を攻撃した所で、体液を飛び散らせて反撃してくる!
 攻撃しなきゃ、このままヤラれる!
 このままじゃ、列車の車両ごととかされちまうぜ〜!

 目の前では余裕の笑みを浮かべてヤツが立ってやがるしよォ!
 ムカつく笑みだぜ〜!!

「フン!攻撃できまい!?かといって、いつまで防御できるかな?」

 ケッ!
 言ってくれるぜ!
 でも、何か対策を考えないとな…

 オレは何とか血管針の攻撃に対して「壁」を作って防御する。
 だけどよォ…
 このまんまじゃジリ貧だぜ…
 何か、切り込む対策はねーかなぁ…

バリッ!
 いきなり列車の天井が砕けて、吸血鬼が襲ってきやがったッ!
 ヤロー!!
 もう仲間を増やしやがったか!

ドラドラドラドラドラドラドラドラ…!


 作戦通り…ズラッ!
 チェーザレはまだ持ち堪えているズラ!
 屍生人は時間通りに波紋使いを襲ったズラ!
 そして、今からこのオレが…
 上に意識を取られているコイツの脚を…握り潰すズラッ!
 今だズラッ!


 な、何ィ!?
 う、上からだけじゃねぇ!?
 足元から…オッサンか!?
 キタネー手でオレの脚掴む気か!?
 くッ!
 用心はしていたが…
 完全にはかわしきれねぇ!!

 ヤツの手はオレの脚に触れはしたものの、何とか握り潰される事は避けられたぜ…
 最悪の事態は、逃れたって…
 !?
 ぐゥッ!?
 な…何で触れられただけなのに、凍傷にかかっちまってるんだ!?

 この動かない脚で、オッサンとチェーザレ、んで吸血鬼どもを相手出来るのかァ!?
 ぐ…グレート…
 ヘビーで最悪の列車だぜ…


 結構用心深いヤツズラッ!
 握り潰されるのを逃れて、最低限のダメージで逃れたズラッ!

 だけど…
 「気化冷凍法」でダメージを与えた脚!
 もう自由に動き回れねーズラ!
 喰ってやるズラッ!!


17.コロッセオ前



 僕は人を探してここに来たんだけど…
 早く来ちゃったのかな?
 まだ、どうも二人とも着いてないみたいだなぁ。
 せっかくローマに出てきたんだから、久しぶりにブラブラしてみようかなぁ。
 ブラブラしてるうちに二人とも見つかるかもしれないし、ひょっとしたらもっと別の
 「探している人間」の方に会うかもしれない。

 そう思ってコロッセオ前まで来た時。

「あの〜、ちょっと聞いていいですかね?」

 って、突然人から声をかけられたんだ。
 そいつは東洋人だけど、えらくイタリア語が達者みたいだ。
 僕よりも身長が低いけど、僕より年上なのかなぁ?
 後ろにいる老紳士っぽいのは、彼の何だろう?
 まぁ、とにかく断る理由もないし、彼の話を聞いてみることにした。

 彼が言うには、彼の知り合いが地下鉄に乗ってこのコロッセオ前まで来る予定だったらしい。
 だけど、約束の時間からもうだいぶ経ってるのに彼が到着しないんだって。
 で、地下鉄が遅れがあるとか、僕に知ってると聞きたかったみたいだ。

 残念だけど、僕は地下鉄に乗ってきたわけじゃないから詳しい事はわからないなぁ。
 だけど、地下鉄の所にパトカーとか来てたような気もするし…
 事故でもあったのかなぁ、とは思うけど…

 って事をそのまま東洋人と老紳士に伝えたんだ。
 本当に僕にはこれ以上はわからないよ。
 そうしたら2人とも心配そうな顔した後、僕にありがとうだって。

 さて…
 僕の方も、早く二人を探さないと…
 だけどいったん、ボスに連絡取ろうかなぁ…

 悩んだ挙句、僕はボスに連絡を取る事にした。
 そのためには電話を探さなきゃね。
 そこで老紳士に逆に尋ねたんだ。

「あの…携帯電話もってらっしゃいませんか?」


To Be Continued !!


コンビプレイ炸裂ズラッ! どーだ、見直したかズラー!
仗助よもやの大ピンチ! 一発逆転を狙え! しかし、ベックはまだまだ狡猾な罠を用意しているかも!?

コロッセオ前には「色々な」人も集まり始めて……
どうなる!? 次はいよいよ最終ラウンド!

葉水加狂さんと坂崎悠乃さんは、次のラウンドに向けて、それぞれ、自分のキャラにとっての『理想の決着』と、『それを得るための手段』などをテキトーに書いてメールにてお送り下さい!


ラウンド1へ / ラウンド3へ / トップページへ戻る

対戦ソース

葉水加狂さんの「ワイアード・ベック」 / 坂崎悠乃さんの「東方仗助」


この対戦小説は葉水加狂さんと坂崎悠乃さんの対戦ソースをもとにかいがらが構成しています。
解釈ミスなどあるかもしれませんがご容赦ください。
葉水加狂さんと坂崎悠乃さん及び、ベックと仗助にもありがとう!

inserted by FC2 system